【最高の睡眠】黄金の90分を逃すな!!

ココロクラフト

先日の記事で、睡眠で一番大事なのは「最初の90分」だとお伝えしました。これを「黄金の90分」と呼びます。


たとえ長い時間眠ったとしても「黄金の90分」が無いと睡眠の質は落ちてしまいますし、睡眠時間が短くても「黄金の90分」があれば良質な睡眠を取れたと言えるそうです。

実は、私も数か月前から「fitbit」というスマートウォッチで毎日の睡眠を記録しています。

毎日の自分の睡眠がどんな様子なのか、グラフで見ることが出来るので、なかなか楽しいです。

この「睡眠の見える化」が実現したお陰で、今まで全く興味のなかった「睡眠」が気になり始めました。そこから「最高の睡眠」を読む気になりましたし、読んでみると「睡眠」に益々興味が湧いて来ました。

そこで今日は、睡眠の「最初の90分」が黄金になる3つのメリットについてお伝えしていきますね。

メリット①寝ているだけで「自律神経」が整う。

入眠して眠りが深まって行く時、交感神経の活動が弱まり、副交感神経が優位になります。「活動時は交感神経、休息時は副交感神経」という自律神経の役割の交代がスムーズに進むと、脳も身体もリラックスして、十分に休息することが出来ます。
レム睡眠に入ると脳波は覚醒時と近い波形を示し、交感神経の活動が活発になって呼吸や心拍が不規則に変化します。
自律神経は、呼吸、体温、心臓や胃腸の働きなど、生命を維持するために欠かせないもので、自律神経の不調は体のみならず心の病気の原因にもなります。頭痛、ストレス、疲労感、イライラ、肩こり、冷え性など「何となく調子が悪い」という違和感には自律神経の乱れがあることが多い様です。
自律神経の重要性を、すでに知っている人も多いでしょう。音楽や香り、絵本やストレッチなど、自律神経のバランスを整える方法論も沢山提唱されています。その中でも「黄金の90分」をしっかり眠るというのは、自律神経を整える最高の方法なのだそうです。
自律神経のバランスがいいから深く眠れるのか、深く眠るから自律神経が整うのかと言えば、ニワトリと卵の様ですが、自律神経はそれだけ眠りと深く関わっているのです。

メリット②「グロースホルモン」が分泌する。

生物の体はすべて24時間前後で1周する「固有の体内時計」を持っています。このリズムが「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれているもので、実際には地球の自転に合わせて「24時間(日内リズム)」で動いています。人間の体内時計は約24時間15分なのですが、健康な人であれば地球のリズムである「24時間周期」に日々軌道修正されていて、多くのホルモンもこの日内リズムの影響下にあります。
しかしながらグロースホルモンの場合、日内リズムの影響を受けはしますが、その分泌量は圧倒的にノンレム睡眠の質に依存しているのです。
グロースホルモンは、第一周期のノンレム睡眠時に際立って高く(70~80%も!!)分泌される特殊なホルモンで、「いつもなら寝ている時間」に起きていると全く分泌されないのです。
また、入眠時間を明け方や日中にずらすと、入眠初期に分泌を観察することは出来ますが、夜間の第一周期ほどの大きな分泌は起きないそうです。
グロースホルモンは、子供の成長に関わっていますが、若者や幼少期だけのものではありません。量は減りますが、老人になっても分泌します。成人のグロースホルモンは、細胞の成長や新陳代謝促進、皮膚の柔軟性アップや、アンチエイジングの役目も果たしています。生き生きと活動するためには、ぜひ味方にしたいホルモンなのです。

最初の90分で一番深いノンレム睡眠が出現しないと、グロースホルモンの分泌は8割近くも減ってしまいます。

残りの睡眠時間では、睡眠の深さも変わり、脳と体が覚醒の準備に入ってしまうので、一晩通じての分泌量が極度に減ってしまうのです。
これを逆手に取れば、最初の90分を深く眠れば、グロースホルモンの8割近くは確保できることになります。仮に5時間睡眠で早起きしなくてはならない時も、最初の90分をしっかり眠れば、少なくともグロースホルモンの全体量はあまり減らさずに済むのです。

メリット③「脳のコンディション」が整う。

質の良い眠りには、ノンレム睡眠だけでなく、レム睡眠も欠かせません。
例えば、うつ病患者は最初の深いノンレム睡眠が十分でなく、レム睡眠がとても早く出現します。
また、日中何度も突然眠ってしまうナルコレプシー患者は、入眠時にいきなりレム睡眠が出現し、これが「金縛り発作」や「脱力発作」の原因になるそうです。因果関係はまだはっきりとは解明出来ていないそうですが、抗うつ薬の多くは「レム睡眠抑制」の作用があり、ナルコレプシー患者の「脱力発作予防」に用いられているそうです。
そうして一旦病状が改善し、最初のノンレム睡眠が整うと、レム睡眠も整い、黄金の90分へ近づいて行きます。
その結果、全体のスリーブサイクルも整うことが分かっているのです。
脳と眠りの関係には、まだ謎が多い様ですが、うつ病や統合失調症の患者は最初の90分が乱れている事実から「黄金の90分には、脳のコンディションを整える働きがある」「脳のコンディションが黄金の90分に反映される」という仮説は成り立つと考えられているようです。

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