【論文解説】「保存版 睡眠不足は確実にあなたを殺す」を世界一分かりやすく要約してみた

ココロクラフト

今回は『【論文解説】保存版 睡眠不足は確実にあなたを殺す』の動画解説をしていきます。

テーマ:睡眠不足がいかに私たちに悪影響をもたらすのか

投稿者:論文解説チャンネルのタケミさん

00:57~ 日本は世界トップレベルの不眠大国

睡眠は心身の健康を保つ最強の薬である。すべては睡眠で最適化される。それなのに、悲しいことに人類は、自分の意思で睡眠時間を削っている唯一の種族だ。睡眠不足の悪影響がどんなものかを知れば、あなたはきっと驚くに違いない。

これは、『睡眠こそ最強の解決策である』という本の著者、睡眠科学の第一人者マシュー・ウォーカー教授の言葉です。
人間以外に睡眠時間を削って働いている動物はいません。こう考えると睡眠時間を削って、夜遅くまで残業をしたりすることが如何に異常なのかが分かるでしょう。睡眠不足は健康や幸福感に悪い影響を与えるだけではなく、社会や経済活動の妨げにもなっているということが分かっています。アメリカの4つの大企業を対象とした研究によると、睡眠不足による生産性の低下で、従業員1人あたり年間で約20万円を失っていると言います。さらに重度の睡眠不足になると、その額は約35万円になります。あなたは、この金額を聞いて「大した額じゃない」とそう思うかもしれません。しかし、会社全体という単位で考えると損失は年間約54億円にも上るそうです。また、睡眠不足が経済活動に与える影響についての調査によると、睡眠不足は国に巨大な経済的損失をもたらすということが分かっています。具体的に言うと、睡眠不足によって、アメリカは約42兆円、日本は約15兆円の損失を出しているそうです。これを聞いて「そんなに損失が出るわけないでしょ!?」と思うのならば、あなたはまだ睡眠不足の悪影響を軽く見ていますので、ぜひこの動画を観て睡眠不足の悪影響についてしっかりと学び、睡眠不足にならない様な生活を送って欲しいと思うのです。睡眠不足にならずに、ちゃんとしたパフォーマンスで働けているだけで、それは圧倒的な優位性になるからです。何故なら、周りにいる多くの人は、きちんと寝ずに常にパフォーマンスが下がった状態で働いているからです。現に世界保健機構(WHO)が「睡眠不足は先進国の流行病である。」と宣言を出したほど、『睡眠不足』は問題なのです。そして、中でも我が日本は睡眠不足大国であると指摘されているのです。日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、OECD加盟国27カ国中でワースト1位です。
そして、日本人の睡眠不足による経済損失は、先ほども言った通り、年間約15兆円という莫大な金額です。さらに日本は、睡眠時間が6時間未満の人が僅か8年で11%も増加しているということも分かっています。
2020年にPhilips社が13カ国を対象に実施した『世界睡眠調査』によると、睡眠に満足している人は僅か49%という驚きの結果になりました。その中でも日本は満足している人が32%と、13カ国中、最下位でした。逆に言えば、日本人の68%、約7割の人が睡眠に何かしらの不満を抱えている。ということです。さて、これを聴いている皆さんの中でも「何かしら睡眠のトラブルを抱えている。」という人が多いのではないでしょうか?仕事が忙し過ぎて、そもそも睡眠時間が確保できていないとか、布団に入ったとしても色々なことが気になってなかなか寝付けないとか、夜中に何度も目を覚ましてしまうとか、平日は朝何とか起きるが土日は遅くまで寝てしまうといった睡眠上の何かしらの問題を抱えている人が多いかと思うんです。さらに日本人の約4割が睡眠負債を抱えていると言われています。睡眠不足は個人の健康やパフォーマンスに悪影響を及ぼし、社会的に経済損失をもたらす『睡眠負債』へとつながって行くんです。6時間未満の睡眠が続いた脳は徹夜した脳と同じ程度しか働かないということも分かっています。アメリカ国立睡眠財団によると、成人に推奨される睡眠時間は、7時間から9時間とされています。それなのに日本人の場合、睡眠時間6時間未満の人がなんと約40%にも上るそうです。つまり日本人の約40%が、徹夜した脳と同じ程度しか働かない脳の状態で、いつも働いているということになります。ペンシルバニア大学が行った研究によると、6時間睡眠を1週間から10日間ほど続けると、一晩徹夜した人と同程度の認知能力まで低下してしまうということが分かりました。さらに、6時間睡眠を2週間続けると、2晩徹夜した人と同じ認知能力にまで下がってしまいました。ぜひこの研究結果を重く受け止めて、今6時間未満しか眠っていない人はぜひ自分の睡眠習慣を見直してみて欲しいと思うのです。もし、あなたが毎日6時間未満しか眠っていないのならば、徹夜した状態であなたは毎日を過ごしていることになります。そんな状態で、まともな仕事なんてできる確率は低くなってしまうでしょう。そしてここまで聞いて「俺は毎日5時間しか眠っていないけれど、ちゃんと頭は働いているから大丈夫。仕事に何の支障も出ていないよ。」と思われる人がいるかもしれませんね。しかし、睡眠不足の人というのは、自分が睡眠不足だということに気づくことができず、更には睡眠不足によって自分のパフォーマンスが下がっているということに気づくことが出来ないということが分かっているのです。「そんな訳ないよ。」と思う人のために、睡眠不足の人と睡眠を十分とっている人を比べた面白い実験を紹介してみましょう。実験では、睡眠不足の被験者と睡眠を十分にとっている被験者を集めて、それぞれに自分のやりたいタスクを選んでもらいました。例えば、タスクの内容は留守番電話を聞くといった単純な作業から、問題解決能力と創造性が必要とされる複雑なプロジェクトの遂行といった頭を使う仕事まで様々でした。その結果分かったのは、一番簡単な仕事を選ぶのは決まって睡眠不足の被験者であるということです。つまり睡眠不足の人は常に楽なタスクを選んで、創造的な解決策をほとんど思いつかないということが、この実験によって明らかになったのです。これは、私たちの実感にも合っていますよね。だって睡眠不足の時に、眠たい時に難しいタスクなんてわざわざ選択しませんよね。だから僕たちが毎日睡眠不足で働いている時は、自然と簡単にできる作業ばかり選びがちになってしまうということです。そして、創造性が必要とされたり大きな成果を出すためのタスクというのは、当たり前ですが、難しいものが多いですよね。ですから睡眠不足の状態でずっと働いていると、私たちは簡単なことばかり選んでやってしまう訳ですから、大きな成果が出せないのは当然のことと言えるでしょう。さて、この様に言うと「いやいや、そんな元々睡眠不足になっている様な、睡眠を軽視している様な人は元々意識が低いんだから、元々簡単なタスクを選ぶような人なんじゃないの?」と思われた人がいるかもしれませんね。「睡眠を重視しないような人は、仕事だって簡単なタスクばかりやりがちなんじゃないの?」と、そう思った人はいませんか?これは中々鋭い指摘ですが、これは間違っているということも実験によって確かめられているのです。先ほどの実験によって、その同じ人物に睡眠が十分の状態で同じ様に仕事を選んでもらったところ、今度は難しい仕事もちゃんと選ぶようになったのです。研究者は、同じ人物で睡眠不足と睡眠が十分な時という条件を変えて実験を行い、睡眠不足が私たちに与える影響を巧みに証明して見せたということです。ですから、あなたが睡眠不足の状態で毎日働いているとするならば、あなたは簡単なタスクばかりをやりがちになるということです。簡単なタスクばかりをやっていたら成果なんて出る訳ありませんから、睡眠不足の状態で働いていると睡眠をたっぷりとっている人に比べて成果が出にくいということも言えるでしょう。ですから、もしあなたが「今睡眠不足だなぁ。」という自覚があるのなら、あなたがやるべきことは仕事術を学ぶことでも時間術を学ぶことでもなく、まず睡眠時間を確保することなんです。睡眠が足りないと生産性が落ち、そして生産性が落ちるために長時間働かなければならなくなり、残業も増えて家に帰るのが遅くなり寝るのが遅くなり、でも起きる時間は変わらないから、その結果更に寝不足になってしまう、この様な悪循環に陥ってしまいます。さてこの様に言うと、「そんなこと言ったって、仕事が忙し過ぎて寝る暇がないんだから仕方がないじゃないか。」「家事が忙し過ぎて、寝る暇ないんだから仕方ないじゃないか。」という声が聞こえてきます。しかし、もしかしたらあなたがそんなにも忙しく、例えば時間内に仕事が終わらない理由はそもそも寝不足で効率が落ちているからではないでしょうか?興味深いことに先ほど紹介した実験の参加者たちは、自分が寝不足の時は簡単な仕事を自分が選んでいるということも、自分の仕事の効率が落ちているということも自覚していませんでした。寝不足の人は、自分の能力を客観的に評価する能力も下がっていたのです。つまり、自分ではいつも通りのパフォーマンスで働けている様な感じがしていたとしても、実際にはパフォーマンスが下がっている、そしてそのパフォーマンスが下がっていることを本人は自覚できていないのです。だから、「俺は睡眠時間が短くてもいつも通り働けるんだぜ。」なんて言っている人の言葉を信じてはいけないのです。その人は、自分のパフォーマンスが下がっていることに気づけていないだけですから。さてここまでで、睡眠不足が私たちにもたらすパフォーマンスの低下や、与える経済的な損失、そして日本人があまりにも寝ていないということ、多くの人が睡眠の問題を抱えているといったことについて解説させてもらいました。これまでのポイントを以下にまとめます。

ポイント1:日本人は世界トップレベルの不眠大国である。日本人の睡眠時間はOECD加盟国27カ国中でワースト1位。睡眠時間6時間未満の人が約40%にものぼる。
日本人の約4割が睡眠負債を抱えており、約7割の人が睡眠に何かしらの不満を抱えている。

ポイント2:睡眠不足は健康や幸福感に悪い影響を与えるだけではなく、大きな経済的損失を与える。
日本人の睡眠不足による経済損失は、年間約15兆円。

ポイント3:6時間未満の睡眠が続いた脳は、徹夜した脳と同じ程度しか働かない。
睡眠不足の人は、自分が睡眠不足だということに気づかず、
さらには睡眠不足によって、自分のパフォーマンスが下がっているということに気づくことが出来ない。

13:30~ 睡眠不足は確実にあなたを殺す

次に睡眠不足が私たちの健康に与える悪影響についても考えて行きたいと思います。睡眠不足でパフォーマンスが下がるだけならまだよいかもしれませんが、睡眠不足は文字通り私たちを殺してしまうのです。
冒頭に登場したマシュー・ウォーカー教授は、次の様にも言っています。

昔の私は、よくこんなことを言っていた。「睡眠は健康の三本柱の1本だ。あとの2本は食事と運動だ。」しかし最近は考えを変えた。睡眠はただの柱ではない。むしろすべての基盤であり、その基盤の上に食事と運動という2本の柱が立っているのだ。睡眠を根こそぎ奪うと、またはそこまでしなくても、やや睡眠不足になるだけで、どんなに食事に気を使い定期的に運動しても、それほど効果がなくなってしまう。

さて、いかがでしょう?教授のこの言葉だけで、睡眠がどれほど重要なのかが分かると思います。睡眠が足りなくなると体中の組織や臓器が影響を受けます。少しでも睡眠不足の兆しがあれば、無償で逃れられる体の部位は存在しません。蛇口が壊れて家中に水が溢れ出すように、睡眠不足の害も体の隅々までに浸透し、更には基本構造であるDNAにまで影響を与えてしまいます。そして、睡眠時間が少ないほど、寿命が短くなってしまうというのは大規模な研究によって既に分かっていることなのです。20以上の大規模な疫学研究で、合わせて数百万人を数十年に渡って追跡した膨大なデータが存在します。その結果を分析したところ、すべての研究に共通する発見が浮かびあがったのです。それは、睡眠時間が少ないほど寿命が短くなるということです。先進国で死因の上位を占めているのは、心臓病、肥満、認知症、糖尿病、ガンといった病気です。そしてその全てで睡眠不足との関係が指摘されています。ですから、睡眠不足というのは文字通り私たちを殺してしまうのです。さらには、睡眠不足だと私たちはいとも簡単に太ってしまいます。それは、睡眠不足によって食欲が増し代謝が低下するからです。睡眠時間が少ないほど食欲は増すということが分かっているのです。それに加えて、睡眠不足の体は食べ過ぎで摂取した余分なカロリーを効率よく管理することが出来ません。そのため、血液中の糖分が増えることになります。7時間~8時間の十分な睡眠をとらずにいると食欲増加と代謝の低下というダブルパンチによって、あなたの体重はどんどん増えて行きます。そしていずれは、肥満になってしまうでしょう。肥満になってしまうと、心血管疾患、脳変性、アルツハイマー病、生活習慣病などの病気のリスクが高まるということも分かっています。また、肥満になって内臓脂肪がたっぷり付いてしまうと、この内臓脂肪が炎症を引き起こし様々な病気のリスクを上げるのに加えて、私たちの脳にも悪影響を与えてしまうということも分かっています。さらに睡眠不足だと、免疫力が低下しインフルエンザなどの感染症をはじめとして、様々な病気にもかかりやすくなってしまうのです。それではポイントをまとめておきましょう。

ポイント1:睡眠不足は確実にあなたを殺す。
睡眠が足りなくなると、体中の組織や臓器、DNAなどの全てが影響を受ける。
睡眠時間が少ないほど、寿命も短くなる。
先進国で死因の上位を占める、糖尿病、ガンといった病気のすべてで、睡眠不足との関係が指摘されている。

ポイント2:睡眠不足によって、食欲が増し、代謝が低下するので肥満になる。
そして肥満は、血管疾患、脳変性、アルツハイマー病、生活習慣病などの病気のリスクを高める。

17:30~ ぐっすり眠るためのアドバイス

さてここまでで、睡眠不足が如何にヤバいのかということについて詳しく解説させていただきました。ここまで聴いてくださったみなさんは「睡眠不足は何としても避けなければいけないんだ!」と思っていただけたのはないでしょうか?睡眠時間を確保するために、そして睡眠の質を高めるために私たちが出来ることを最後にさらっとまとめて終わりにしたいと思います。
睡眠不足を解消するためには、まず私たちの眠りを妨害するものを遠ざけ、その上で睡眠の専門家が提唱する『ぐっすり眠るためのアドバイス』に従うことが重要です。
現在は、睡眠を奪うものが世の中に沢山あると言われています。例えば、次の様なものがあります。

私たちの睡眠を奪う犯人
1.ブルーライトを含む電気の光
2.アルコール
3.目覚まし時計
4.睡眠薬
5.ストレス
6.暑すぎる寝室

さて、どうでしょう?いかにも睡眠にとって悪そうなものばかりですよね。いちいちここで、これらをひとつずつ取り上げて詳しく解説することはしませんが、これらのものにぜひ注意して欲しいと思います。
では次に、これらの犯人を遠ざけることも含めて、ぐっすり眠るための睡眠の専門家のアドバイスをまとめておきたいと思います。
ぐっすり眠るためのアドバイスを13個ほど挙げます。

1.いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。
2.夜寝る前に運動してはいけない。
3.カフェインとニコチンを摂取しない。
4.寝る前にアルコールを摂取しない。
5.遅い時間に大量の飲食をしない。
6.午後3時を過ぎたら昼寝をしない。
7.寝る前にリラックスする。
8.寝る1~2時間前にお風呂に浸かる。
9.寝室を暗く涼しくし、寝室にデジタル機器を持ち込まない。
10.日中に太陽の光を浴びる。
11.カフェインの門限は午後2時。
12.寝室をしっかりと換気する。
13.寝る前にルーティンを行う。

全てを実行するのは難しいと思いますから、出来そうなものからやってみてください。確実に効果が出ると思います。

さて、いかがでしたでしょうか?
本日の動画を観ていただければ、睡眠不足が如何にヤバいのかが分かり、睡眠不足の状態で過ごしているのが如何に勿体ないことなのかということが分かっていただけたのではないでしょうか。
しかし、これは逆に言えばチャンスなんです。何故かというと、周りの人は睡眠の重要性をあまり認識しておらず、睡眠不足の状態で日々過ごしている訳ですから、あなたがちゃんと睡眠をとって、本来のパフォーマンスを発揮することが出来れば、簡単に頭一つ抜きん出ることが出来るからです。よく「成果を出したり成功するためには、人と違うことをしなさい。」なんて言われていますが、”睡眠をしっかりとる”ということが今の時代においては、人と違うことになります。多くの人は、睡眠不足の状態になっている訳ですから、睡眠をしっかりととるだけで、それが差別化になるのです。このようにポジティブに捉えて、ぜひ睡眠不足を解消し、しっかりと睡眠に注意を払って、本来のパフォーマンスを発揮する人が一人でも増えれば私はとても嬉しいです。
本日は以上になります。

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