【最高の睡眠】なぜ人は「人生の1/3」も眠るのか?

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本「スタンフォード式 最高の睡眠」の表紙

睡眠は、健康や美容、ココロにとって不可欠なものであることは、私たちも何となく分かっています。
なぜなら、寝不足だと仕事や勉強に身が入らなかったり、うっかりミスが増えたり、隈が出来て顔色もくすみ、ずっと老けて見えたり、といった経験が誰にでもあるからです。
それでも、毎日たっぷりの睡眠時間を確保できない人が多いのも現実。本書にも、何とか6時間程度の睡眠を取って欲しいと書いてあります。
それでは「睡眠時間の確保」以外に、良質な睡眠のためにできることって何なのでしょうか?
インターネット上には、無数の情報が溢れています。多くのまがい物情報に惑わされないために真の「眠りのためになる」知恵を本書がまとめてくれていますので、ここで紹介したいと思います。

睡眠の5つの役割とは?

睡眠の役割①:脳と体に「休息」を与える

睡眠の役割で、欠かせないのが「休息」。本当は「睡眠」=「休息」とは言い切れないそうですが、大きな役割であることは確かです。「100%電源off」にはなりませんが、睡眠中は脳も身体も「スリープモード」の状態にはなっています。

人間の身体では、意思とは関係なく常に自律神経が働いています。
体温を維持し、心臓を動かし、呼吸し、消化し、ホルモンや代謝を調整するのが自律神経です。
よく知られている通り、自律神経には活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」があります。このふたつは24時間働いており、代わる代わるどちらかの神経が30%ほど優位になります。

日中は交感神経が優位になる。

体内では血糖値と血圧、脈拍が上がり、筋肉と心臓の動きが活発になります。脳は緊張感と集中力を増します。
緊張時や集中している時には、神経細胞が活発化するので、現れるのは速い波型の脳波。逆にリラックス時は、ゆっくりで乱れの少ない脳波が現れ、ストレスを取り除く「α波」などが出現するそうです。

ノンレム睡眠と食後は、副交感神経が優位になる。

副交感神経が優位になると、心臓の働きや呼吸が緩やかになります。そして、食後は胃腸の働きが活発になり、消化と排泄が促されるのです。

どちらも大切なのですが、忙しく働くビジネスパーソンの場合、交感神経優位の状態が長すぎることでしょう。常に活動モードだと、脳も身体も疲労し、ストレスが溜まります。
夜になったらスムーズに副交感神経優位の状態に切り替えないと、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなってしまいます。

「眠り始めの最も深いノンレム睡眠が出現する黄金の90分」で、しっかりと副交感神経優位に転換し、脳と身体を休ませることが最も重要だと言えます。

睡眠の役割②:「記憶」を整理して定着させる

記憶に関しては様々なデータに基づいた意見があるようですが、学習後に睡眠を取ることで記憶の定着が進むという知見は多いそうです。
睡眠と記憶については、複数の学者の報告から、次の様な概念が提唱されています。
・レム睡眠中、エピソード記憶(いつ・どこで・何をしたか)が固定される。
・黄金の90分で訪れる深いノンレム睡眠は、イヤな記憶を消去する。

・入眠初期や明け方の浅いノンレム睡眠では、身体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶)が固定される。
つまり、一晩の睡眠でノンレム睡眠&レム睡眠を数セット繰り返し、時間が経つと共に浅い睡眠に移行する中で、記憶が整理され、定着して行くということ。記憶というとインプットばかりに意識が行きますが、イヤなことや不要なことは忘れることも大切ですよね。
確かに私の友人は以前から「仕事で嫌なことがあった日は、遅くまで頑張らずに、さっさと寝ることにしている。」と話していました。この方法、理にかなっていたのですね!

【これは使える!!】黄金の90分「ノンレム睡眠」は、イヤな記憶を消去してくれる。

また、最近では入眠直後の最も深いノンレム睡眠の時に、海馬から大脳皮質に情報が移動し、記憶が保存されるという報告もあるそうです。
このことからも、記憶にとって睡眠が欠かせないことが分かりますね。

新生児はレム睡眠が9割ほど。脳が発達するにつれレム睡眠が減少して行き、13歳ぐらいで大人と同じ位ノンレム睡眠が増えるそうです。ここから「レム睡眠は脳の発達に関係する。」という仮説が生まれ、研究されているそうです。それでもまだ未知の部分も多いとか。

睡眠の役割③:「ホルモンバランス」を調整する

脳はホルモンバランスも制御しています。実は、睡眠時には多くのホルモンが働いているんだそうです。
ホルモンは老化や生活習慣病とも密接に関わりがあるのですごく気になりますよね。

良い眠りは、生活習慣病の改善にもつながる。


これについては研究で明らかにされているそうです。以前の記事でも書きましたが、例えば、睡眠を制限すると、脂肪細胞から分泌される「食欲を制御するレプチン」が減少して、胃から分泌される「食欲を増すグレリン」が増えます。
その他、細胞を生まれ変わらせ、身体機能を活発化させる「アミノ酸」などにも変化が生じます。この様に、睡眠とホルモンバランスには密接な関係性があります。

グロースホルモン(成長ホルモン)は「黄金の90分」に最も多く出る。皮膚の保水力もアップ!!

大人の場合、このホルモンのお陰で、筋肉や骨が強くなり、代謝が正常化されるのです。
また、生殖や母性行動に関与するプロラクチンが多く分泌されるのも「黄金の90分」。皮膚の保水量も睡眠で上がります。←←←アンチエイジングにとっても重要ですね!!

睡眠の役割④:「免疫力」を上げて病気を遠ざける


コロナ禍真っただ中の我々にとって、これは凄く気になりますね。
免疫はホルモンと連動していて、睡眠との関係も深いそうです。
睡眠が不適切になると、ホルモンバランスが崩れ、免疫の働きも狂ってしまいます。
睡眠には休息の役割も大きいので「風邪は寝て治す。」というのは免疫力向上と休息の面で理にかなっています。
実際、インフルエンザの予防接種を受けても、睡眠が乱れていると免疫が確立せず、ワクチン接種の効果が認められないという報告もあるそうです。また、睡眠時の免疫増強がされていないと花粉症などのアレルギーが悪化する危険性もあるのです。

睡眠の役割⑤:「脳の老廃物」を取り除く


脳は頭蓋骨の中で「脳脊髄液」という保護液に浸かっています。この「脳脊髄液」は1日4回入れ替わっているそうです。
新しい脊髄液が出て、古いものが排出される時、脳の老廃物も一緒に除去されるというエビデンスがあります。
脳の老廃物自体は神経細胞が活発である覚醒時に溜まります。日中の覚醒時にも「溜まった老廃物除去」は行われているのですが、それだけでは追いつきません。なので睡眠時にもメンテナンスが行われているのです。
実験では、アルツハイマーになりやすい遺伝子を持ったマウスの睡眠を制限すると、アルツハイマーの原因物質のひとつである「アミロイドβ」が溜まりやすくなることが分かったそうです。これは、きちんと睡眠を取っていれば正常に分解・排出され、蓄積されないはずの脳の老廃物なのだそうです。

脳の老廃物の排泄がうまく行かないと、アルツハイマーに限らず、長期的には脳のダメージにつながる。

「睡眠時間」をもっと大切にしたい!!

私たちに与えられている人生での時間の内、1/3もの時間が睡眠に費やされていると改めて考えてみるとどうでしょうか?
私自身、これまでは「睡眠」について深く考えることもなかったですし、夜更かしもしばしば。「良質な睡眠」についてなんて考えたこともありませんでした。
でも、これまで述べて来た5つの役割を知ってみると「睡眠時間をもっと大切にしたい」と感じ始めました。
1日24時間×365日=1年間で8760時間。その内2920時間は睡眠時間です。働いている人だと、1日8~10時間は外にいますので、家にいる時間の半分は寝室にいることになりますよね。そう考えると家の中でも「寝室」の環境を一番整えてあげたい気持ちになってきます。

人生において、睡眠に費やす時間の長さ、その重要性に気づいた今、ココクラでは、「睡眠」と「寝室」を整える活動を始めたいと考えています。(インテリア、光、音、香り、温度、湿度、服装、寝具、習慣等)
具体的な活動についは、準備が整い次第リリースしますので、どうぞお楽しみに!!

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