毒にも薬にも・・・カフェインとの賢い付き合い方【最高の睡眠】

ココロクラフト

コーヒーを飲むと眠れなくなる

カフェインは神経系に強い影響を与える「刺激物」です。とはいえ、カフェインを含む飲み物の代表格であるコーヒーを好む人は多く、私もその内のひとり。仕事がある日は必ず自分で淹れて会社に持参しています。カフェインが刺激物であることは知っていますが、この習慣を急に止めるのは難しい気がしています。止めるのは難しくても、飲み方の工夫は出来そう。そこで今回は、カフェインが私たちの身体にどんな影響を及ぼしているのかを知り、大好きなコーヒー(カフェイン)の賢く楽しい飲み方についてお話しします。
まず、ある実験により分かったことですが、寝る直前はもちろんのこと、寝る6時間前であっても、カフェインを含むお茶やコーヒーを飲むと睡眠が阻害されます。

カフェインの影響により、寝つきが悪くなったことで睡眠時間が短くなり、更に本人は「寝つきが悪くなった」という自覚が無かったことが問題。この無自覚から寝不足の悪循環が始まるのです。カフェインのせいで十分な睡眠がとれなければ、目覚めても疲れがとれていない。疲れがとれていなければ、これまで以上にカフェインが欲しくなる。こうしてカフェインの量を増やせば、睡眠の質と量は更に悪化する、という悪循環です。

良い?悪い?【カフェインの特徴】

ここでカフェインの2つの特徴について述べたいと思います。
1.コーヒーや紅茶、チョコレートなど、カフェインが含まれているものは総じて美味しいこと。
2.人体との親和性が高いこと。カフェインを摂取すると、身体も心も状態が上向きになる。
だからこそ、中毒性があると言えるのです。

カフェインは私たちを「休ませてくれない」

目覚めているあいだ中、私たちの脳細胞は活発に動いています。その結果「アデノシン」と呼ばれる副産物が生まれます。そして、脳と脊髄にあるアデノシンとその受容体の結合が一定レベルに達すると、とたんに身体が眠気を催すのです。(眠気とまでは行かなくても、リラックスした気分になる。)
そこへカフェインがやってくると、アデノシン受容体とカフェインが結合し疲れを感じさせなくなってしまいます。普通はアデノシンがいっぱいになって身体が休息モードに入るところなのに、カフェインが邪魔して眠気を感じさせないので、結果として脳と身体の細胞は活動を続けてしまうのです。

カフェインで眠気を遮るとストレスが増大する

脳や身体が目覚めている状態で活動を続ければ、アデノシンはどんどん生成されます。でも、カフェインが居座っているとアデノシンは正常に代謝できません。そうなると、体内の働きも変わらざるを得なくなり、神経系内でストレスホルモンが増大するのです。脳や臓器は休息や回復をする間もなく働き続けることになります。

また、私たちが思っている以上にカフェインの影響力は長く続きます。完全に無くなるのに数日かかることもあります。
一般的に、一度体内に取り込んだカフェインが半減するには、5時間~8時間かかると言われています。

寝る6時間前に摂取したカフェインですら睡眠を阻害したのは、これが理由だったのですね。

神経系だけじゃない。カフェインは内分泌系にも影響する

カフェインは、内分泌器官のひとつである副腎に刺激を与え、睡眠を阻害するホルモン「アドレナリン」と「コルチゾール」の分泌を促します。
以前お話ししましたが、コルチゾールが増えると覚醒が促されます。つまり目が覚めます。
アドレナリンはひと言で言うと「興奮の源」です。これが増えると、身体は戦闘態勢になります。人の力を最大限に引き出してくれると言った役割を担うホルモンです。

アドレナリンには一時的に気分を晴らす効果があるが、大きな欠点もある。アドレナリンが分泌されると、ストレスホルモンが急激に増える。それにアドレナリンの効果が切れると虚無感に襲われる。

切れた後の虚無感とは、まるで何かの麻薬みたいですね。

カフェインに依存しない身体になるには

ここまでカフェインの特徴について、悪影響についてお話ししてきました。私たちの身体への悪影響を最小限に抑えるためにも、コーヒー好きの人がコーヒーと少し距離を置いた付き合い方に変えて行くにはどうしたらいいのでしょうか?
いきなりコーヒーを断つのではなく、カフェインをとりながら、その影響力を和らげて行くことから始めましょう。

まず、コーヒー以外の何かから、これまでより少ない量を摂取する方法です。コーヒーの代わりにカフェインを含む濃いめのお茶(紅茶やプアール茶、マテ茶など)に切り替える。そうすれば、カフェインの量はコーヒーの1/3~1/2に抑えられる。また慣れるまでの数日間は、今まで飲んでいたコーヒーの量の倍は飲んでも良いことにする。

こんな風に、少しずつカフェインの摂取量を減らして行くのです。
さらに、この期間は自分をいたわって、リラックスして過ごせるようにしましょう。マッサージや軽い運動、ゆっくりお風呂に入ったり、睡眠時間も普段より長く取るのがおすすめです。
また、お通じを良くするためにコーヒーに頼っている人もいます。こんな方がコーヒーを飲まなくなると、途端に腸の働きが鈍るので、積極的に「食物繊維」と「水」を摂るように心掛けましょう。

コーヒーは悪者じゃない

 
ここで改めてお伝えしておきたいのは、コーヒーは決して悪者ではないということです。コーヒー、カフェインの働きを知ることなく、計画性なく飲み続けてしまった時に生じるトラブルが問題なだけなのです。
つまり、問題はコーヒーとの付き合いかた「習慣」にあります。
この「習慣」を改善することで、コーヒーを楽しみながら、睡眠の質も上げることが出来るということを知っていただきたいのです。
カフェインは身体に強い影響を与える刺激物であり、元気の源として上手に扱えば恩恵にあずかることが出来るのです。

【まとめ】「睡眠の質を上げる」カフェインとの付き合い方

【コーヒーは午後2時まで】カフェインを身体に入れる門限を決めましょう。就寝時には、体内からカフェインがほぼなくなった状態でないといけない。おすすめの時間は14時。カフェインに敏感な人はもっと早くてもよい。

【午前中のカフェインは身体のリズムを整える】カフェインにはコルチゾールの生成を促す作用がある。基本的に健康で、カフェインに依存する体質になっていない人なら、午前中のカフェインがコルチゾール生成リズムの強化につながる。これにより、昼間のパフォーマンスが向上し、夜は正常に眠くなる、という様にリズムが整う。
カフェインは適切に摂取すれば、新陳代謝、注意力、集中力の向上をはじめ、肝機能の改善にも活用できる。
お勧めのサイクル【2日カフェインをとり、3日休む】【2ヶ月カフェインをとり、1ヶ月休む】【特別な時だけ限定して飲む(飲むのは最大で2日)】

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