【睡眠には体力が必要!?】正しい睡眠方法を解説
「歳を取ると数時間で目が覚めてしまう」「昔よりも早起きになった」という話を聞いたことがあるかもしれません。
年齢を重ねると、眠りが浅くなったり、早起きになったりするのは、睡眠にも体力が必要だからです。
しかし、年齢を重ねたからといって、睡眠時間が短くては疲れが取れないでしょう。
そこで今回は、睡眠に体力が必要な理由や、睡眠で得られるメリット、正しい睡眠法について解説します。
朝起きても疲れが残っているように感じられる場合、正しく眠れていない可能性が高いです。
この記事で紹介する正しい睡眠法を知って、毎日を元気に過ごしましょう。
なぜ睡眠には体力が必要なのか?
眠気を感じるのは、体から「疲れているから寝なさい」というサインと、体内時計が「夜だから寝なさい」というサインを出すからという2つの理由があります。
私たちはこの2つのサインを受けて、眠気を感じます。
しかし、体が元気な状態ではないと、2つのサインが体から送られてきません。
そのため元気がない=体力がない状態では、睡眠が十分に取れないのです。
特に体内時計のサインは、調子が悪いときや弱っているときには送られてこないため、調子が悪いときは質のいい眠りに必要な「メラトニン」というホルモンが分泌されません。
寝るのに体力がいると言われているのは、体力が十分にある元気なときにはメラトニンが分泌されてしっかり眠ることができるからです。
またメラトニンは年齢を重ねることで、分泌がされにくくなります。
そのため、年齢を重ねて体力が低下してしまうと、さらにメラトニンの分泌量が減って余計に眠れなくなってしまうのです。
睡眠で消費されるもの
睡眠で消費されるのは、カロリーです。
日中と違って運動しているわけではないのに、質のいい睡眠を取ると300kcalは消費すると言われています。
これはランニングを40分程度した際に消費するカロリーと同様です。
どうして寝ているだけなのにカロリーが消費されるのかというと、睡眠中に分泌されるホルモンと関係があります。
睡眠中には質のいい眠りに導くメラトニン、心身ともにリラックスさせるセロトニン、ストレスを和らげるコルチゾール、代謝を促す成長ホルモン、食欲を抑えるレプチン・グレリンなどが分泌されます。
体がこれらのホルモンを生成するときにエネルギーが必要となるため、質のいい眠りを取ればカロリーが消費されるのです。
「十分な睡眠を取らなければ痩せやすい体を作ることはできない」という話を聞いたことはないでしょうか。
寝不足になると、紹介したホルモンが生成されません。
また、代謝を促す成長ホルモンも分泌されなくなるので、太りやすくなってしまうのです。
睡眠で得られる5つのメリット
睡眠で得られるメリットは、睡魔から解消されるだけではありません。
ここでは、どんなメリットがあるかを解説します。
1.疲れが取れる
質のいい眠りをとって、ノンレム睡眠と言われる深い眠りにつくと、成長ホルモンが分泌されます。
この成長ホルモンには体の回復や修復を促す効果があるため、寝ると疲れが取れるのです。
起きているときの身体は常に働いていますが、睡眠を取ると全身が休むので、疲れていると自覚症状がない部分の疲労も回復します。
2.免疫力がアップする
睡眠を取ることでさまざまなホルモンが分泌され、身体は正常なホルモンバランスを保ちます。
正常なホルモンバランスが保てると免疫力がアップするので、病気にかかりにくい体になるのです。
睡眠不足が続いて疲れを感じているときに、風邪やインフルエンザにかかった経験がある方もいるのではないでしょうか。
近年では新型コロナウイルスの蔓延も問題となっていますが、さまざまなウイルスから自分を守るためにはしっかり寝て免疫力を高めることが重要です。
3.太りにくくなる
睡眠不足になると先ほど紹介したさまざまなホルモンが生成されにくくなるため、睡眠中に消費するカロリーが少なくなってしまいます。
特に食欲をコントロールするレプチンやグレリン、成長ホルモンが分泌されないため、食べても食べても食欲が止まらず、代謝も下がって太りやすくなってしまいます。
質のいい睡眠をきちんと取れていれば、カロリーを消費し、レプチン・グレリン・成長ホルモンも生成されるため、太りにくい体を作れます。
4.記憶が整理されて定着する
私たちは寝ている間に夢を見ますが、夢はその日の出来事や記憶したことを整理するために見るという説があります。
寝ている間はノンレム睡眠が記憶を整理し、レム睡眠で定着させるというサイクルになっています。
そのため、学生の方は勉強したあとにきちんと睡眠を取れば、暗記したこともしっかり定着されるでしょう。
5.精神が安定する
睡眠を取ると脳も休養をとるので、脳疲労を回復してストレス解消につながります。
そのため、きちんと睡眠を取れば、精神が安定するのです。
また睡眠中に分泌されるコルチゾールは抗ストレスホルモンとも言われており、日頃感じているストレスを解消する役目を持っています。
今日からできる正しい睡眠法
なにも考えずただ眠るのではなく、正しい睡眠法を知って、質のいい睡眠を取りましょう。
ここでは、正しい睡眠法を解説します。
1.寝る3時間前までに食事を済ませておく
寝る前に消化活動が終わっていないと、寝ている間も内臓が活動してしまい、体をしっかり休ませることができません。
その結果、寝ても疲労が残ってしまいます。
食事ではできる限り寝る3時間前までに済ませましょう。
2.お風呂でリラックスする
寝る前にお風呂に入って体を温めることも重要です。
体を温めるとリラックスして、入眠しやすくなります。
ただ熱すぎるお風呂では体が起きてしまうので、38度程度のお風呂に軽く浸かるのがおすすめです。
3.温かい飲み物を飲む
温かい飲み物を飲んで、体内から体を温めることも重要です。
一度上がった体温が下がるときに眠気を感じるので、温かい飲み物を飲んで自然な入眠を目指しましょう。
ただコーヒー・緑茶・紅茶などカフェイン入りのものは体が覚醒してしまうため、白湯やカモミールティーなどがおすすめです。
4.スマホやパソコンを見ない
スマホやパソコンは、ブルーライトを発します。
このブルーライトは、メラトニンの分泌を抑えてしまうことがわかっています。
質のいい眠りを取るためには、寝る前にスマホやパソコンを見るのは避けましょう。
5.リラックスできる環境を作る
ご自身にとってリラックスできる環境を作って寝るようにしましょう。
人によってリラックスできる環境は異なります。
香りや照明、室温など、最適な状況を作ることが正しい睡眠法には大切です。
睡眠で大事なこと
睡眠は6〜8時間が最適と言われていますが、最も大切なのは時間ではなく質です。
質のいい睡眠が取れなければ、何時間寝たとしても疲労が回復せず、その他の睡眠で得られるメリットも得られません。
もちろん睡眠時間を確保することも大切ですが、前章で紹介した正しい睡眠法を参考にして、質のいい睡眠を目指しましょう。
【まとめ】
正しい睡眠が睡眠に必要な体力の維持にもつながる
この記事では、正しい睡眠法を解説しました。
睡眠には体力が必要というお話もしましたが、質のいい睡眠を取って、睡眠中にメラトニンなどのホルモンを分泌させることが、睡眠に必要な体力の維持にもつながります。
今回紹介した睡眠法を参考にして、ご自分なりの入眠環境を作ってみてください。
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